2011.10.09 錫杖岳前衛壁1ルンゼ

2011.10.09 錫杖岳前衛壁1ルンゼ

参加:U代表、Nさん、ucchiy

記:ucchiy

 

錫杖岳にはとてつもない憧れを持っていた。
北アルプスの主稜線の端にありながら一般登山道は存在しない、まさにクライマーの山だと思っていたからだ。

そんな錫杖を、オールリードで登らせていただけるまたとない機会を今回得た。

 

10/8
神田集合
渋滞の東京をゆっくりと出て、松本のカモシカスポーツなどに寄り道しながら栃尾温泉周辺にて車中泊。
『荒神の湯』に入ったが、料金は寸志¥200で申し訳程度の目隠しがあるのみ。野湯好きにはたまらない温泉であった。

10/9
0530 新穂高の湯駐車場
槍見の湯脇の登山ポストよりクリヤ沢渡渉まで1時間、そこからさらに錫杖岳前衛壁までは1時間くらい。

0730 錫杖岳前衛壁1ルンゼ取り付き

1P(40m) 取り付きよりフェイスを左上していくのだが、どうやら右上していったらしく正規のビレイポイントではないところの小ピナクルでピッチを切る。

 

2P(40m) さらに右上してしまい、本来はルンゼ左のフェースを登らなければいけないところをそのままルンゼ通しに行ってしまう。ルンゼ途中にあった懸垂支点にてピッチを切る。

3P(40m) ルンゼをⅤ字岩壁下まで上り、左のフェースを登る。出たところのビレイポイントで隣のリトルウイングを登っていたパーティーと出くわし、1ルンゼのルートはもう少し左だよと教えてもらう。


4P(30m) リトルウイングのルートを一旦登ってピッチを切り、セカンドに1ルンゼの正規ルートまでトラバースしてもらい、自分は懸垂支点を利用しロワーダウンで確保してもらいながらのクライムダウン。

5P(40m) スラブからハング。ハング部分はA1にて直上→左上で突破。アブミは練習で何回かやったことがある程度で、本チャンでやるのは初めてだった。フィフィを忘れてしまいヌンチャクで代用したが、もっと効率の良い手順を学ばなければと反省。
左上した先のビレイポイントでピッチを切る。


6P(30m?)ここは記憶があいまい。最終P手前のピッチだったような気がする。フェース~スラブで、左手に白壁の見えるスラブ手前でピッチを切る。

7P(40m) スラブから右のフェース、直上しチムニーを登って終了点。 渾身のドヤ顔。


12:50終了点
下降:同ルート下降、懸垂5回

正規8Pであったはずだが、下半部でのルーファイミスのため3P分を2Pでどこか登ったと思われる。
ボルト・ハーケン類もかなりの数撤去されており(実際にハンガーボルトは1ヶ所しかなかった)、基本的にはナチュプロで登るものと思ったほうがいい。
核心ハングのA1部分はハーケン連打してあるので、自分のような人工登攀初級者でも特に問題ないように思われた。他にもラインは取れるので、ハングにこだわらなければフリーでも登れるか。

今回はかなり緊張した中での登り始めで、1P目にやたらと時間がかかってしまった。その上ルートファインディングのミス、慣れないアブミなど反 省点山盛りの登攀となってしまった。時間がかかった部分も、ほとんどがワンムーブで解決できることが多く、これに関してはフリーをほとんどやっていないこ とが原因なのは明らかだ(精進します・・・)。

ともあれ、何とか憧れの錫杖の1回目を無事終えることができた。
最後に、憧れの山でのオールリードを任せてくださったU代表・Nさんに感謝の言葉を申し上げたい。(と言いたくなるくらい今回は本当に嬉しかったんです!!)

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2011.10.09 錫杖岳前衛壁1ルンゼ への6件のフィードバック

  1. やまぐち のコメント:

    ucchiy 、
    良かったね!
    憧れの壁を登攀した嬉しさが文章にでていますよ。
    私は、錫杖のルートは何も知りませんが、スッキリした岩壁のようですね。
    特に清掃登攀の後との事、より気持ちが良いクライミングが楽しめたのかな?
    今度、ゆっくり話を聞かせてください。
    好漢の益々の成長を期待しています。

  2. ucchiy のコメント:

    やまぐちさん
    ありがとうございます。
    1ルンゼは岩も硬く、スラブ・フェイス・ハング・チムニーと変化に富んだ楽しいルートでした。
    残置支点が少なかったことは私レベルでは少々不安でしたが、コレはこれで緊張感を持ったクライミングができたのでよかったのかなとも思います。
    また例会などで御指導ください。

    • やまぐち のコメント:

      ネットで検索してみたら、錫杖って変化に富んだ楽しそうなルートが多いみたいですね。
      大昔はアプローチが長く敬遠されていましたが、現在は本当に近くなりましたね。これからはもっともっと登られてもよい岩壁なのでしょう。
      風化が進んだ滝谷や奥又、益々ブッシュがはびこりだした屏風より、はるかに魅力的な登攀が楽しめそうですね。
      別ルートの報告も楽しみにしています。

  3. ueno のコメント:

    1ルンゼは自分にとっても未だ登っていないルートでインストラクションは無しと同じでした。未知のルートをリードする緊張感と充実感を味わえたのではないかと思います。今後は若い会員のリーダーになって新たな領域にチャレンジしてください。その昔山口さんをはじめとするアルムの先輩達の登っていなかった難ルートを探しては若い仲間とチャレンジしたことを思いだします。

  4. o@jcc のコメント:

    u代表、こんにちは。すれ違いでしたね。私は、9日は錫杖沢の方に遊びに行き、2時半ごろには出合のテントに戻っていました。下降してくるクライマーが通り過ぎるのを眺めていたし、女性もいたので、もしかしたらアルムのパーティも見ていたのかもしれません。残念!
    1ルンゼは10日に登りましたが、名前はルンゼなのに明るく快適なルートですね。

    • Ueno のコメント:

      〇竹さん、JCCブログ拝見しました。ニアミスでしたね。お会いできなくて残念でした。今度是非お会いしたいですね。

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