【ちゃんこ 本チャン2戦目は谷川で悶絶】
みなさん、こんにちは。
ちゃんこデス。
今回は再びU野御大からお声掛かり頂き、ついに谷川岳デビューと相成りました。
参加者:CL=U野御大 N雪女将 ちゃんこ
前回2週間前の大同心正面壁最終ピッチで宙吊り焼き豚と化したちゃんこ、
あれから直ぐに風邪を引き一週間の下痢P生活が奏功、4kgの意図せざる減量に成功。
軽量化された中年Bodyで今回は燻製豚の汚名返上を狙います。
この日は前夜半まで激しい雨。明けて雨は上がっていましたが
稜線は厚く垂れ込めたガスに覆われ、迫力のある壁の威圧感に加え
独特の雰囲気。圧倒されます。
『これが、谷川岳・・・・・』
一ノ倉沢出合から雪渓を歩きテールリッヂ基部へ取り付きます。
初めての雪渓歩き。目の前には衝立岩の偉容。
そして濡れの残るテールリッヂ。
『滑ったら死ぬぞ。』U野御大の言葉に納得。
写真で見るよりも、雪渓もテールリッヂそのものも斜度があるうえ
ヌメっていて足元の不安なことこの上なし。
落ちたらただ事ではない・・・・・
フィックスロープを頼りにただただ無心で一歩一歩詰めてゆきます。
雪渓・テールリッヂとも結構汗を搾られました。
この日の一ノ倉沢は大盛況。早めの行動開始をしたつもりでしたが
中央稜の取り付きには既に4~5パーティが待機しておりました。
我々は更に左へ烏帽子スラブの上部をトラバースし南稜テラスへ。
後続パーティの一部は中央カンテに取り付いたようです。
この烏帽子スラブのトラバースも濡れていていやらしさ全開でした。
既にここまででちゃんこ、谷川岳の洗礼を全身に浴び汗みずく・・・
取り付いた南稜テラスには既に4組の先行パーティがおりました。
我々はここで約1時間20分ほど待機を余儀なくされます。
登攀を待つ間に気持ちを落ち着け準備を整えると、周りを観察する余裕も出てきました。
時折4ルンゼ下部の方から爆発音のような音とともに雪渓が雪崩れるのが見えます。
いよいよ登攀開始。今回もシステムはU野御大のオールリードで
ちゃんこ・N雪女将がフォローです。
1P目(Ⅳ)
U野御大テイクオフ
続いてフォローのちゃんこ離陸。
乾いていればなんてことないのですが・・・最後のチムニーでフリクションが効きそうになく
ウロウロ迷う時間もなしと判断。左手のランナーを捕って
迷わずA0。
2P目(Ⅳ)→3P目(Ⅱ草付)→4P目(Ⅲ)と登攀を進めます。
全体に岩が濡れておりところどころ流水もありました。
グレード以上のグレードとはこのことか・・・・
4P目終了点直下、六ルンゼに臨むやや外傾したテラスに雉撃ち爆弾が・・・・
見なかったことにしてやり過ごしたものの、吹き上がってくる風に乗って
直上のビレイポイントに芳しき黄金の薫りが・・・・・
N雪女将、エズきながら『ちゃんこぉぉぉ~!早くあがってぇぇぇぇ』
Golden Smellにご満悦のちゃんこ、早く抜けたくて煽る女将 ↓
※お食事中のBlog閲覧に考慮し、現物写真は差し控えさせていただきます。
2つ前を登るパーティが1P目から速度が遅く、登るにつれて
我々を含めた後続の待機が長くなっていったのですが、まさか雉撃ち渋滞だったとは。
この黄金郷エルドラドで更に30分ほどの待機。
御大、とりあえず絶景を見渡しながら心を無にしましょう。
馬の背リッヂを越えてカンテ、そして最終6P目(Ⅴ-)の垂壁。
先行パーティのリードがフリーで越えようとガンバってましたが、あきらめてA0で
ようやく抜けてくれました。
ココが核心とのことにてU野御大のムーブ、ライン取りを凝視。
御大、すんなり乗っ越していよいよフォローちゃんこ。
うーん・・・・・・ぬるぬる。
ぬるぬるぬるぬるぬるぬる・・・・・
最後から2手は迷わずランナーつかむつもりでしたがその寸前の1手のときに
足がすべりテンション!!無念!!
落ち着いて気を取り直し右でランナーつかんで左でガバを取り抜けました。
今回はナニをしてでもザイルにテンションかけたくないと思っていたので残念です。
その後、国境稜線に抜けるべく草付、濡れてナメたスラブをコンテで上がり
烏帽子岩の上にさしかかったところで下からヘリの音が。
位置からすると中央カンテ上部でしょうか。滑落?遭難者をホイストしております。
あらためて自分自身がただならぬ場所にいるという思いで身が引き締まりました。
我々は更に藪をこぎ高度を上げて、国境稜線へ。
オキの耳・トマの耳を経由して天神平発最終のロープウェイで下山。
途中オキの耳ではNHKの『にっぽん百名山』取材パーティからインタビューを
受けました。まだHP上に予定が出ていないようですが7月末に放送予定とのことです。
編集カットされなければ動くちゃんこのデカイ顔が画面いっぱいにごらんいただけると思います。
【反省】
・体力不足:アルパインクライマーとしての体力レベルに程遠い
・ムーブ:美しくない→自然じゃない(合理的でない)→危険
【収穫】
今回の登攀を振り返り、自分なりに真剣に考えたのですが
岩場にいるときの恐怖感は絶対に忘れたくはないな、と。
その恐怖心があるからこそ、行動の全てを安全に迅速に確実に運ぼうとする
意思が働くんだなと思いました。
己の野心への迎合。
これがおそらく登攀に当たってはもっとも忌避すべきことなのではないでしょうか。勝算・根拠のある挑戦と無謀の境目を見極められるレベルに達しているとは思いませんが、
すくなくともその間にあるシュルンドを常に意識し考えながら岩壁に向き合いたいと、
今はそう考えています。
遅まきながらクライミングの虜になり、身体の動く限り登り続けたいと思っています。
だからこそ、この日、押し寄せるように感じた恐怖感を決して忘れず
いかなる岩場でも『常に是 初心。』
精進しようと 心あらたにした次第であります。
同行者疑問:いいね!いいね!の時代ではあるが、クライミング以前の体力が?