北海道山旅 大雪山系(旭岳、十勝岳)、利尻岳

5月連休何処へ行くか大いに悩んだ、2日間休むと9日間の連休である。槍北鎌、剣八峰などが候補にあがったがこの機会でないと行けそうない北海道ということになった。1968年2月26日から3月19日の長期間厳冬期の利尻岳へ遠征した時の郷愁からか44年振りの利尻岳への里帰りという感じだった。その時の山行はKさんのブログに記録されている。

http://www.geocities.jp/jukutabi2/j.kiroku009.html

4/27夜、車にスキー、登山道具、幕営装備一切合財を積み込み一路岩手県の安比高原へ向かう。春スキーに来ていたOプロ達と合流。

4/28 余りの暖かさにスキーをする気分ではない。広いスキー場の駐車場でペーパードライバーNの自動車練習。そして夕方のフェリーに乗るために八戸へ。港町八戸を想像していたがフェリーターミナルの周辺はインダストリアルエリアの一角で味気なく、何の店もない。フェリーは快適だが乗用車よりもトラックなどが幅を効かす世界、職業ドライバー達が船の上では我が物顔。また、震災復興工事に出稼ぎに来ている室蘭ナンバーなども多く見られる。

4/29 深夜に苫小牧到着。取りあえず旭川へ向かう。車のほとんど無い深夜の高速道路でぺーパードライバーNの高速道路初体験。眠気は一気にすっ飛ぶ。道の駅仮眠。

このまま稚内へ行き利尻島へ渡る予定だったが猪熊さんによればこの3日間は強風の予

報だった。利尻の強風は半端ではない。40数年前の記憶が蘇る。今日は旭岳へのスキー登

山に切り替える。本来は利尻を登ったあと山スキーとの予定だった。

       八戸フェリー乗り場。観光の車よりもトラックや震災復興工事関係の車が多かった。  

旭岳登山

10:30旭岳ロープウエイ 11:00ロープウエイ終点よりスキー登行 12:30 引き換えし点

13:00ロープウエイ駅

ロープウエイを降りると頂上まで雪がつながっていない。登頂目的ならば登山靴が最適だ

ろう。雪がつながっている地点までシールで登る。天気や良いが風が強い。適当なところ

で登行をやめる。スキー滑降には最低の雪質である。ボソボソして重い、スキーが滑らな

い。スキーを持ってきて損をした感じ。元来春スキーは好きではない。北海道にだまされ

た。美瑛へ下り、駅近くの道の駅で時間潰し。

旭岳ロープウエイからの旭岳。雪がこの10日間で急速に融けたらしい。

ロープウエイ終点よりの登り。右尾根の雪のあるところまで登りました。

雪を探しながらの滑走でした。雪質は最悪。

4/30十勝岳登山。

8:05望岳台 11:35十勝岳山頂 13:55望岳台

望岳台からは十勝の山頂が遠くに望まれる。あまり雪はつながっているようには思えない。

スキー登山は諦め、登山スタイルで行く。旧スキー場の終わりまでは緩い登り。避難小屋

からは前十勝左斜面雪壁を登る。最大35度くらい。雪壁を登りきると前十勝への斜面と十

勝岳正面へ通じる尾根と別れる。このあたり視界が悪いと広いので解り難いだろう。緩い

尾根を登り頂上への雪壁を登り、最後は尾根つたいに頂上へでる。火山特有の山であるが

富士山というよりもモンゴルの山を登っている感じだった。下山後、美瑛のSevenStarと

KenMaryの丘を見ながら旭川へ。

正しい登山者は入山届けを。下山届けは忘れました。

旧スキー場の上、避難小屋へ向かって。

十勝岳山頂。一つ登ったのでもう良いか。

5/1 今日は風が強く5/2だけは好天気という猪熊予報を信じ稚内へ。途中、幌別を通過

するが核廃棄物反対の看板が目につく。ここが政府、原子力村の連中が目論む高レベル核

廃棄物の最終処分場の候補地なのか。反対する人口が少ないというだけで湿地帯のこの地

域が1万年も安定している地層とは信じられない。稚内より14時過ぎのフェリーで利尻島

鴛泊港へ。天気が良いのは明日だけなので簡単な北稜からの登山として登山口の北鹿キャ

ンプ場まで送迎してくれる宿へ。利尻島の趣きは40数年前と大きく変貌している。稚内駅、

港の周りも全く変わっていたが、鴛泊港にはコンクリートの建物が建ち、桟橋だけの昔と

は様変わりしていた。我々の登山基地だった鬼脇の漁港はどうなっているのだろうか?当

時は人間よりも電線にとまるカラスの数の方が多い寂し漁村だった。

利尻フェリーからの利尻岳。昔はこんな立派の船ではなかった。

5/2 利尻岳北稜登山

5:00北鹿キャンプ場 9;00長官山山頂付近 10:15北峰山頂 13:25北鹿キャンプ場

14;05フェリー乗船

予定の5:00より早く車が用意されていたので5:00に歩き始める。駐車場には何と松本ナン

バーと川崎ナンバーの車が2台。先行者がいるのだろう。緩い樹林帯を赤布とスノーモビ

ルらしき跡をたどる。気温の上昇する下りのズボズボは避けられるだろう。北稜右側の広

いルンゼに入っていく。夏道はこのあたりで北稜へ取り付くのだろう。先行するパーティ

が見えてくる。スキー登行らしい。広いルンゼの先は急な雪壁で北稜に合流する右側から

の尾根の上端に達する。尾根で休憩中の6名に追いつきそのまま左の北稜に出る。長官山

の山頂付近らしい。長官山からは少々の下りで避難小屋へ。ここで長休止。ここから山頂

は目と鼻の先と思ったが雪がズボズボとなり思わぬ時間をかける。他パーティとラッセル

を交代しながら山頂へ。最後の急斜面のラッセルは長野からのパーティのラッセルに楽さ

せて頂く。北峰からさらに南峰へのぼるつもりだったが 南峰には一部雪がついていない。

何のためにロープをもってきたのか解らなかったが南峰は止めとする。それにしてものん

びりした山頂である。44年前2日しか晴天に恵まれなかったヒマラヤひだに覆われた厳

しい利尻岳とは違う。登山装備も粗末な時代とは隔世の感がある。山頂から見下ろす当時

憧れの大空沢西大壁も傾斜が緩く感ずる。厳しい天候以外利尻岳は厳しい登攀の対象外に

なったのだろう。何か40数年間の肩の荷を下ろしたような気がぬけたような虚脱感の中

山頂を後にする。山頂からはズボズボの下り、長官山直下の雪壁はダイレクトに下るがア

イゼンが団子になるので少々気を使う。北鹿のキャンプ場から携帯で車を呼び14時過ぎの

フェリーに乗る。40年前なら携帯もなく港まで歩いたのだろう。便利になったものである。

稚内から天塩川を望む公共温泉へ立ち寄り、道の駅泊。

北稜北麓キャンプ場からの登り。

長官山への雪壁の登り。下に鴛泊港が見えます。

真っ直ぐ長官山の尾根に向かう先行者のトレース。

長官山から避難小屋までの下り。正面が利尻北峰。

北峰山頂。後ろは雪が付いていない南峰。右がローソク岩。

5/3 携帯に予約していたフェリーが荒天により欠航との知らせ。茫然とする。取りあえず苫小牧まで出る。夕方から予定通り雨。

5/4 豪雨の中函館へ向かう。高速も雨で一部通行止め、一部一般道を走る。夕方のフェリ

ーで青森へ。安比泊。スキーのOプロ達は雪を求め八甲田や夏油をさ迷ったらしい。

5/5 帰京。長いドライブでした。約2500kmのドライブ。

カテゴリー: 山行報告 タグ: パーマリンク

北海道山旅 大雪山系(旭岳、十勝岳)、利尻岳 への1件のフィードバック

  1. matalow のコメント:

    >ぺーパードライバーNの高速道路初体験。眠気は一気にすっ飛ぶ。

    アルムに入って、久々に車を運転し始めた時(ペーパードライバー)
    私が運転すると下山後の中央道渋滞なのに誰も寝なかったことを
    思い出しました(笑

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です