山域:荒川出合
ルート:1ルンゼ
メンバー:Kさん、ucchiy(記)
北極帰りのノンフィクション作家・探検家Kさんと久しぶりに山に行きました。
去年の正月、北岳バットレスの帰りに見た荒川出合1ルンゼです。
2/23深夜 夜叉神にて前泊
2/24 5:00夜叉神発
通常、荒川出合には奈良田からアプローチするが、今回はルンゼの全容を偵察するため夜叉神より入り鷲住山を下って荒川出合へと入った。写真正面が1ルンゼ。遠目には相当にぶっ立っているヤバイ壁にしか見えなかった。
荒川出合には横浜K山岳会の2人パーティーの方々がおり、3ルンゼに入ると言っていた。
1ルンゼは発電所の橋より奈良田側に戻り、1つ目の新しいトンネルを左に反れ旧道側に入る。こんもりとした尾根をひとつ越え、金網を降りて旧道に再び立ち、細いルンゼを2~3本越えた先にある。明らかにそれとわかる、明るく開けた感じの大きなルンゼが1ルンゼ。出合から上部岩壁も見える。
1ルンゼの出合(8:50)からはデブリ・ラビネンツーク上を200mほど登り、氷が出てきたところからロープを結んだ(9:20)。左岸の垂壁沿いにロープを伸ばしていく。
1P Ⅲ60m Kさんリード ナメで傾斜も緩い。
2P Ⅰ~Ⅱ60m Uリード 緩い雪壁 ビレイ点が取れなかったが、特に確保の必要もないので肩絡み。ここまではコンテでもよかった。
3P Ⅲ+~Ⅳ60m Kさんリード 雪壁~ナメ氷~岩 氷にはスクリューが打てる。上からガンガンスノーシャワーが降ってきた。
4P Ⅳ+60m Uリード 岩・ベルグラのMIX リスに乏しく、ヘキセンが1個バチ効きした以外は効いてるんだかわからないカムとアイスピトンでランナウトする。出だしが数手悪いが、あとは何とかなる。最後はベルグラに10cmスクリュー2本でビレイ点とした。
5P Ⅳ60m Kさんリード ベルグラの張り付いた岩。カムでランナーを取っていくが、やはり怪しい。上部ではスクリューが打てる。
6P Ⅴ60m Kさんリード 下部薄氷の核心の滝。ほぼバーチカルで20m。 Kさんスクリューが足りなくなり上部ランナウト。最後はしっかりした氷にスクリューを打ってビレイ点が作れる。(13:00)
7P Ⅲ60m Uリード ナメ氷から右の小さな尾根を越え、樹林帯に入り灌木でビレイ。この辺で15時近くなっており、下降することにした。
7Pよりも上にはまだまだ氷が続いており、ざっと見ても3P分はあった。右岸の上部岩壁に気になるゴルジュ状ルンゼがあり、Kさんは『時間あるかな?』と聞いてきたが、下降時間と鷲住山の登り返しを考え今日はここまでとなった。
下降は左岸沿いをルンゼから離れすぎないように藪を漕ぐ。かなりヤブがうるさい上、7Pほぼ全てロープを60m伸ばしたので下降距離が長く辟易した。
荒川出合17:30
夜叉神20:30
ネット上でも最近登られている記録はないルートだったが、自分にとっては変化があって楽しいルートだった。時間があれば完登してみたい。
今後行かれる方はアイスピトン2~3本、トライカム、スクリューは短めを中心に持っていかれるといいと思います。